人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

お姉さんは190円ですか?

はたらく エッセイ コミュニケーション
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「お姉さんは190円ですか?」
と聞きたくなる。

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「こんにちはー」と声が聞こえても
お店に入るとお姉さんの顔も見ずに
まっすぐレジカウンター向かった。
黒髪短髪のお姉さんと言うのは分かる。あとはのっぺらぼう。
お姉さんよりもメニュー表をじっと見る。
「ブレンドコーヒーください」
「SサイズとMサイズがございます」
知ってますわざとです。
「Sで」
「Sサイズですね。190円です」
ふん、ぼくがどんな気持ちで
Sサイズを頼んだのかなんて分からないだろう。


「お姉さんは190円ですか?」
と突然聞いてみたくなるんです。
どんな顔をするだろうかなと。
びっくりするだろうか。笑うだろうか。
動揺して、手元が狂うだろうか。


結局、お姉さんが見ているのは
ぼくが何を頼むか、そしてきちんとお金を払うか
そんなことしか興味がない。


ぼくが
どんな気分で、
どんな財布使っていて、
どんなこと考えているか、
なんて気にもしていないんでしょ。


誰が来てもカチンカチンと歯車が動き出したように
台詞が動き出して客もそれに応じてテンポを合わせねばと答える。


石田徹也のこんな絵があります。
店員は客の口にガソリンを注ぎ込む。ドスンとくる、絵。


右から左へ人を流し、客は動くために入れ、去る。
動けるのであれば、腹に入れるのは
何でもどこでも、いい。


190円払う。お姉さんの顔は見ない。
「190円ちょうどお預かりします」
「レシートご利用ですか」
ご利用です。「はい」
「少々お待ちください」
「ブレンドSです。ごゆっくりどうぞー」
そう言っている声の向きがもう
後ろに並んでいるお客さんを向いていることは知っている。


迷惑なくらいごゆっくりいてやるからな。このやろう。