人生かっぽ

人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

共感を得られる叱り方を先生が教えてくれた日

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偉そうに叱る人はキライだ。

さっきから説教じみた話が聞こえる。
近くのスタバでコーヒーを飲みながら本を読んでいたのだけど集中できない。

なんの話かはわからないけれど
とりあえず目の前の席で先輩が後輩を指導しているような話だった。

「何回言ったらわかるの?」
「これくらい分からなくてどうするの?」
「これじゃいつまでたってもダメだよ」

「叱咤激励」の「激励」部分を欠いたような
その先輩らしき人の後輩らしき人への言葉の数々に
なんだか後輩の人は気の抜けたコーラみたいな顔をしていて
先輩らしき人の思いがどこまで伝わっているのか分からなかった。

「叱るほうも大変なんだよ」
とよく聞くけれども、
その大変な叱る行為が、相手に伝わっていないなら
それはもっと大変だと思う。

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ぼくの話。

その日は、ぼくもやや熱を込めてあーだこーだと言っていた日だった。
やや怒っているに近いテンションだった。
後輩に相談されたのだった。

イライラしていた。
何回教えてもどうしてもできない人に。

いや、確かに一度でわかるなんてことはないよ?
けど君、さすがにさっきから覚え悪くないか?
と我慢強いつもりでいたぼくもイライラしていた。


「それって誰から学んだんですか?」
と質問された。

ハッとした。



そういえば。
と思い返す。

ぐるぐるぐるぐるとあの人やこの人の顔がめぐりめぐって
やっとこさ「あのとき」「あの人」の顔にたどり着いた。

できなかった頃の自分を思い出した。

そうして
「ずいぶん偉そうだな、おまえ」
という言葉が浮かんで、すぐに「すんません」と言いたくなった。


昔教えていただいていた先生が、こんなことを言っていた。
「定期的に新しい趣味を持つようにしている」

それから、その趣味のサークルに入る、とも。

というのは、
サークルに入ると、自分が一番初心者のことが多い。
初心者、つまりは「一番できない側」になると、
教えられる側、できない側の気持ちがよりわかるようになるんだ、
と。

そうすると、
「どうしてできないの?」
なんて言い方は絶対にしないんだと教えてくれた。

実際、その先生の教え方は
いつだってぼくの耳にはすんなり入って来た。


自分が教えられる立場に慣れてしまうと、
どうしてもいつのまにか
「自分最初からなんでもできちゃってたんだ」
という気持ちになってしまう。

そうすると、わからなくなってしまう。
最初はできない人の気持ちが。


なんだか、ぼくもいつのまにかその罠にはまっていた。


「それって誰から学んだんですか?」

そういえば、と考えると
教えてもらった人の顔が浮かぶ

偉そうに語ってたことも、
あの日のぼくは分からなかったわけで、
ぼくも学んできたわけだ。

そう思うと少し優しくなれやしないだろうか。

ぼくも、最初はそうか、初心者でこうやって育てられてきたのかと。



所詮ぼくらも誰かの入れ知恵の積み重ねでしかないのだろう。

それが、いつのまにか忘れてしまう。
無意識にできるようになると、忘れてしまう。
できなかった頃の自分とか。
分からなかった頃の自分とか。


で、分からない人と大きな距離をとってしまうのだろう。
そういう人ができない人に指摘する言葉は
共感を得られないと思うんですよ。
わかってくれてる気がしないから。



「どうしてできないの?」
他人にそう言うの前に
「どうして自分はできたんだっけ?」
と問うてみたいんです。

そうして目の前の相手にはこう伝えたい。

「ぼくも最初はわからなかったんだけどね。
 こんなときに、こう教えてもらったんだよ」

と。


人生を、かっぽしよう