人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

私の話なんか聴いてくれない そう言った彼女が後悔したこと

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「だって全然話聴いてくれないんだよ。
 わたし聴いて欲しかっただけなのに
 なんかすっごいアドバイスばっかされて」


カフェで隣に座った女性がぷりぷりしている。
どうやら彼氏への不満っぽい。

「なんかもうすっごい疲れたから」


マジで別れる5日前。
そんなところか。


Happy Pucchin Pudding 400g
Happy Pucchin Pudding 400g / keyaki

そう思ってちらりと横を見ると
ぷりぷりした女性の話を
黙って聴いているのは男性でした。


ただ、彼女の言いっぷりからすると
そのぷりぷりする矛先にあたる彼氏ではないらしい。


さしづめ良き相談相手ってとこかな。
そう思って、忙しくキーボードを叩く振りをするけれど
隣に対して耳ダンボ、である。


「なんかよく分かんない最近けっこうこれ」
そして、ため息。


これはもうかなり雲行きが怪しいなあ。


他人事なのでぼくは先行きがどうなろうと
知ったことではないのです。


相談相手はそこまでずっと低い声で
うんうんと聴き続けていたけれど
「大切だから、言うんじゃないの?」
そこで、ようやく口を開く。


「大切に思うから、一生懸命になって、言っちゃうんじゃない?」
思わずぼくがうなづく。
そうだ、誰も嫌いだから言っているわけじゃない。
一生懸命相手のことを考えて
いろんなことがうまく行って欲しくて
悲しむようなことになってほしくなくて
そういうことを考えすぎて
わけがわかんなくなっちゃって
結局、色んなことを言ってしまう。
それを、女性も分かってあげないと。


この男性のことばは彼女にも届いたようで
今度は彼女が口をつぐんでしまった。


「なあ、いっつもお互いに気づかって来たじゃん。
 もっかいどう思ってるか確認したら?
 『気持ちだけ、聴いてくれる?』ってちゃんと伝えてみたら?」


聴くかぎり、男性は両方の友達らしい。


黙っている彼女の顔はどんなだろう。
ぼくは見たくて見たくてたまらない気持ちをおさえて
次に彼女が何を言うか、引き続き耳をダンボにするのでした。


「……分かんない」


「私だっていっぱいいっぱいだから、
 分かんない……」


さっきまでの勢い良くしゃべっていたときよりも
一段テンションの低い声。



王手。


こうなると、もう、男性には手詰まり。


Shogi pieces
Shogi pieces / Vibragiel



どんな声をかけても、行き着く先はほぼ1通り。


おつかれさま。
そう声をかけたくなりました。



そこまで来ると、やっぱり他人事ながら
別れというのは誰のものでもさびしい。
増して、両方の友達である相談相手の彼の悲しみはいかばかりか。


「この前、あいつ相談しにきたよ」


え。



彼女もたぶん、いやきっと、そう思ったはず。


「あいつ」ってのは
彼女の彼氏さんのことですよね。
再びぼくの耳はダンボ。


「この前、おまえが最近仕事で悩んでること言ってて
 で、どうしたらいいだろうって言ってたよ
 うまく気持ち伝えらんなくってって」


やはり彼女は黙ったまま。


「だから、もう一回、
 きちんとお互いが思ってること
 確認してみたら?」
ね、と念を押す。


うん、と彼女の声がぽつりと聞こえる。


持ち駒を持ってたか……!
隣の席で悶絶するお一人さま。



言葉にすると、
気持ちって余計ににつたわらなくなっちゃって
ホントに困ったものですけれども
長く一緒に過ごせば過ごすほどに
その言葉をかきわけて、
根っこにある気持ちを
探す必要があるんだろうな。
そうなふうに思うわけです。

Burghley in autumn
Burghley in autumn / [Duncan]


ぼくがその相談相手に
きゅんとしたのは言うまでもない。


人生をかっぽしよう


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