人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

「付き合う決め手が、分からない」と言う人へ 一緒にスーパー行って楽しいですか?

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何を決め手に付き合うのかというのは、
悩ましいところ。


どっからどう見ても
もはや付き合っている二人が
まだ付き合っていない
と聞き驚いて、どうして? と聞くと


「何を決め手にして
 付き合えばいいのか分からない」と。

「付き合ってから
 ちょっと違うなあ
 ってなっちゃったら怖い」


そんなもん、
付き合わないと分からないだろうが!
さっさと踏み込め!
と思ってしまいがちなのだけど


たとえばそれが
ずっと友達としてうまくやってきた相手で
かけがえのない相手だとして
一度付き合ったことで関係が崩れてしまったとしたら……


状況はいつも簡単に割り切れるわけではない。


Percolator Lamp
Percolator Lamp / phooky


「一緒にスーパーに買い物に行ってみたらいいよ」


「スーパー、ですか?」

「そう、スーパー」

「え、スーパー?」

「だから、スーパーだよ、食料品売ってる、SEIYUとか」


ぼくがきょとんとしている顔に
先輩がそう言ってくれた。

かつて「誰と付き合えばいいか分からない」と
相談したときのことだ。

「なんでスーパーなんですか?」


4年付き合った末に結婚した先輩なら
何か良いことを言ってくれるんじゃないか
そう思って相談した。


のに
返ってきた答えはあまりにも拍子抜けする。


「いや、スーパーが全てを解決するわけじゃないんだけど」

はい

「スーパーってつまんないじゃん」

「そうですね」
ぼくはまだ頭にクエスチョンマークを乗せている。


「おまえ、そういうつまんないスーパーに行って
 普通に楽しかったら、だいたいのとこは行けるぞ、そいつと」


「スーパーに行って楽しいって、
 意味が分かんないですけど
 え、食べ物とかで遊ぶってことですか」

ばか、と先輩が間髪入れずに突っ込む。

「そうじゃねえよ、なんかあるじゃん、こう、
 スーパー行ってもストレス感じない関係
 って言うの?」


はあ。ありますか。


「『あ、これ美味しいよね』とか
 『肉と魚どっちが好き?』みたいな
 そういう何気ない会話が
 飽きずに続けられるってのは
 それはずっと続く関係ってことだろ」


「ああ、確かに」
そこでやっと少しだけ腑に落ちる。


「遊んでいるだけのうちは良いよ。
 食事行ったり飲み行ったり、部屋に遊びに行っても、
 ドキドキするし。
 外の環境だったり初めてづくしで
 楽しいじゃん
 けど、同棲でもしてみろ。
 平たんだぞ、まいーにちがへいーたん
先輩が「へいーたん」と
手のひらをまっすぐ横に動かす。


「だから買い物ひとつが
 イライラのもとになるのな。
 命取りになるの。
 だからそこで楽しい時間が過ごせるなら
 たいていのことは楽しめる、だろ」


ほおおーと深くうなずく。
なるほど確かに。


「それだけで全部が上手く行く
 なんてことはないけども
 それがそもそも、だと思うな」


先輩の言葉に
ぼくが感心していると


「って母親に教えられた」
と先輩が笑う。


「おれもこんな風に言ってっけど
 今と結婚してる相手との
 結婚決められなくて。
 気遣いもできるし、
 炊事洗濯も完璧だったんだけど
 どうしても決断できなくて。
 この先、なんかあったらどうしよう、と」


「それで、お母さんに相談ですか?」


「そう、情けないでしょー?」
先輩の照れ笑う感じに嫌な感じはしない。


「母親に相談したら
 『その人とスーパー行って楽しい?』
 って言われたんだよね。
 で、今とおんなじ話されて」


けど、先輩は納得がいってそれで決めたわけだ。


「嫁にさ、
 『結婚してくれ、スーパー行って楽しいから』
 って言ったらめちゃくちゃ笑われたけど」


それがネタなのかどうなのか分からないけど
「馬鹿げてるけどね、一番真理だったよね」
先輩の顔に、1ミリの後悔も見えなかった。
頭の中に、先輩と奥さんが幸せそうに
スーパーで買い物をする姿を想像して。



Grocery Store
Grocery Store / karindalziel


「一緒にスーパーに行って楽しい?」


相談を受けて、あの日の先輩の言葉を
自分の言葉のようにドヤ顔で話す。


目の前の相手はあの日のぼくのように
キョトンとした顔をしている。


レジャーランドや
おしゃれなレストランではなく
日常の中にあるスーパー。


それは、
「帰って来る場所」として
相手を捉えているのかもしれないし
ソファのような存在なのかもしれない。


とりあえず、だ。


「はい、スーパーにいってらっしゃい」


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