人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

老いて行く耳。もう一度傾けてみる

エッセイ 家庭教師
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「あ」
と言って、家庭教師先の生徒が「静かに」と言うように指を立てる。

意味もわからず思わず黙ってしまう。

目の動きから耳に神経を集中させているのが分かる。

「何の虫? 先生」

え?と思って、自分も後を追うように耳をそばだてると、
次第にそれまで耳に入れていなかった音が聞こえるようになる。



りーりーりーりー

という音。


「ホントだね。何だろうね」


しばらく二人して何にも話さずに耳をそっちに傾けていた。


世界に、もう一度耳を傾ける。


歳をとると耳が遠くなる、なんて聞く。
まだ耳が遠くなる歳ではないのだけど、
それでもなんとなく、そんなことを思うのです。


人間ほど耳が器用な動物もいない、と聞いたことがあるのです。
なんでも、あまり意識せずに聞き流す音と聞き流さない音に強弱をつけて聞いているそうで。


前に、聞こえすぎることの悪影響も書いたのですけどね。

その話を聞いたときに、本当に賢いなあと思ったのですけど
もしかしたら、本当にさみしいことだなあとも思えるんです。


何回か聞いた音を、声を、
「聞いたことのあるもの」という箱に振り分けていく。
その箱に入れたら注意を払わない。
「聞く必要のないもの」になる。


だんだんと、その箱に入り、注意を払わない音が増える。

世界が少しずつ沈黙して行って、そこには何の刺激もなくなっていく。


聞く音と聞かない音を振り分けられることが「賢い」と言うのなら
たまには少しだけ「馬鹿」になっても良いんじゃないかなと思うのです。

馬鹿になって、もう一度、聞いてみる。
そうすると、今だから聞こえること、聞けることも増えているんじゃないかな。


その「りーりーりーりー」という鳴く虫は、
生徒にとっては未知の音だったんでしょうね。
そっちのほうが、生徒にとっては勉強なんでしょう。
ふたりiPadで声の主を調べる。


夏は、とくに音に溢れます。


そう考えると、彼ら幼き者の耳はうらやましいなあと。

ちょっとうるさすぎるかな。


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