人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

デキる人の彼が尊敬する上司が最初は大したことないと思ったけど、「上司たるもの」を教わる

仕事術 マネジメント
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「大地くん、今日さ、おれの上司も飲みに連れてっていいかな」
と電話で言われた。
ぼくがいわゆる「デキる人」として尊敬する先輩からの電話でした。


その日、ぼくらは飲みに行くことになっていて
本当は二人だけで最近のことなんかを話して、
情報交換なんかうんぬんというつもりだったのだけど


「おれの尊敬する上司なんだよね、邪魔にはならないと思うからさ」
と頼まれたら、邪魔にならないとかどうこうではなくて「大丈夫ですよ」と言うしかない。


三人で飲むことになる。




先輩は、まさにデキるひとの典型で。
働きながらでも情報のアンテナは高いし、
カフェとかバーとか遊べるところ知ってるし、
考え方は論理的で明快で、おまけにイケメンときたもんだ。


天は二物以上与えるものですね。




そんな先輩の「尊敬する上司」なんだから
めちゃめちゃすごい人が来るに違いないと思い
ものすごい人見知りなのもあるし、
もはやぼくの心臓はばくばくしていた。




やばい、ヘタな姿見せて「こんなもんか」って思われたらどうしよ。




「こんばんは、加藤です」




待ち合わせにぼくの先輩と一緒に来た「尊敬する上司」加藤さんの最初の印象に、
ギラギラした「デキる上司」なるオーラは何も感じない。




「あ、こんばんは」
とこっちがひょうし抜けして反応する。




それでも
加藤さんがいつかスルッとものすごいことを言ってくるんじゃないかと思って
飲み始めながらも、いつかいつか、とある程度の緊張感をもって最初は飲んでいた。




明神丸
明神丸 / alberth2




「なにがすごいのか、まったくわからない」


失礼だけど、飲み終わったときに思ったことは、そういうことで。


というか、飲みの後半になると加藤さんのことを「尊敬する上司」であることすら忘れていて。
ぼくは気づけばいつものごとく、ややアツくなりながら、
先輩と最近かんがえていることを話しまくっていた。




で、お酌(しゃく)ですら、
最初こそ、ぼくが気づいたときに加藤さんに「あ、気づかなくてすいません」とビール瓶を傾けていたのだけど、
それも加藤さんが「ああ、いいよいいよ」とにこやかに断って
そのうち加藤さんはじぶんでお酌をして、最後には全員分のお酌を加藤さんがしていて。

そういうすがたを見ていたら、いやでも疑ってしまう。

先輩はほんとうにこのひとのことを尊敬しているんだろうか。
もしかして、
きょうの飲みの話をしたらじぶんも行きたいと加藤さんが言ってきて、
一応、上司のおねがいだから先輩は断りきれなかったんじゃないか。
なんて。





瓶ビールと鍋を。
瓶ビールと鍋を。 / senov



帰り道、加藤さんはぼくら二人と別の方面に行ったので
しばらく歩いたあと
「あの」と勇気をだして先輩に切り出す。




「先輩は加藤さんの、あの、ほんとうに尊敬する、上司なんすか」




あー。と、先輩は、それ言われると思ってた、みたいにして
「違うの違うの、たぶん大地くんの思うそれじゃないよね」
と返した。




「あの人と一緒に仕事するとわかるとおもうんだけど
 ほんとうにね、すごいんだよあのひと。
 すごい気持ちいい状態で仕事させるの。ひとのこと」


よくわからない。


「あの人が何かものすごいエネルギーを持っているとかそういうことっていうよりも
 他人のエネルギーを落とさないように工夫していて」


「どういうことですか」


えーなんつーかなー。と先輩は例えをちょっと探してから
「ほら、きょう話しやすい空気じゃなかった?」
と言われて、じわじわと何を言いたいのかがわかってくる。


「上司と飲むと緊張しちゃって言いたいことなんて全然言えないもんだけど、
 全然言えるよね、あれすごいよね」


なるほど、と納得。
そういうことか。尊敬って。


お酌を気にかけさせなかったことすら、そう思えてくる。




「デキるひと」
というものさしではかると、ぼくはそのとき、「何かができること」だと思っていたけど
「何かを思う存分できるようにさせること」も大切なちからなのだと気づいたのです。


「じぶんの仕事は部下の邪魔なものを引き受けること。
 邪魔なことや、やりづらくしていることがあるなら、
 それを取り除くこと」


先輩が教えてくれた加藤さんのことばが、
加藤さんの考え方をあらわしてくれています。


「“ いぶし銀”だよな」
という先輩のことばがほんとうにぴったりだと思ったのです。



 ***


先輩が
「さすがに『頭低すぎて気持ち悪いですよ』っていうときもあるんだけどさ」
なんて言っていたけど、
ぼくには、先輩が加藤さんにそんなことを言えることすら、
加藤さんのすばらしいところなんじゃないかと、思えるようになっていたのでした。



人生を、かっぽしよう

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