人生かっぽ

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人生かっぽ —佐藤大地ブログ

哲学、言葉、人生観、仕事、恋愛、など人生をかっぽするような物語をつむぎます。宮城県 仙台市を主な活動拠点とする佐藤大地のブログです。2014年からEvernote公式アンバサダー。大学院では政治学を研究していました。

お断りするときは「ありがとう」をサンドイッチで

コミュニケーション 家族
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2度と敷居はまたがぬとかなんとかあんなに言いながら。

先日地元に帰った。


しょうがないよ、会社の研修だったんだもん。近くまで行ったんだから帰るってのが礼儀でしょ。とかなんとか言いながら。

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まあ会社の研修だったもんで、荷物をできるだけ軽くするためにスーツだけしか持っていかなかった。
私服なんて持っていかなかった。

そうしたら、
よくよく考えてみれば週末はスーツ着なくてもいいわけで。
っていうかスーツ着てるほうがおかしいわけで。

スーツしか持ってきてないぼくは、朝からスーツを着て居間におりていくわけで。


「あれ、今日は仕事なの?」

とやっぱり母に問われ、
いや、違うよ。
じゃあなんで。
スーツしか持ってきてないんだよ。
なんて会話をすると、
母はそこからガサゴソと奥の部屋に入っていき、ほら、これなら着れるかもしれないから、とカジュアルのシャツを持ってくる。


ぼくとしては、ありがたかった。

けど、ここで受け取っちゃうとせっかく家を出たのに、以前書いたように居心地の良い空間を何となく作ってしまいそうだったから、


「うーん。いや、いいよ」


と伝えた。
まったくもって小難しいやろうだってのはじぶんが一番分かっている。


けど、そんなことは母には言わない。


ただ、断ることしかできない。



そうすると母はまた奥の部屋に入っていく。

そうしてさっきと同じように、けど手に持っているシャツは別のものを持ってきて、
これならどう?ほら、サイズ大丈夫だと思うんだけど。
と、提案してくる。

どうやら母は単純に服の種類が気に食わないと思っているらしくて、そのやりとりをもう2回くらい繰り返した。


うーん、いや、違うんだけどなあ。


母は、子どもに干渉しないようにしているけどなんだかんだ世話焼きな優しさがある。

すぐ出るけど腹が減ったと言うと、どれだけじぶんがくつろいでいる時間でも、ぶすぶす言いながらでもテキパキとした手際で持っていけるごはんをすぐに作って「ほら、持って行きな」と渡すような人だ。


そうそう、これが27年間甘えに甘えた優しさだよなあなんて、息子の少しだけ困っている状態を見て最大限になんとかしようとする姿を見て思う。



けど、もうそういうじぶんを変えていかないといけない。

けど、なんと伝えればいいのか分からないので何度も「いや、いいよ」と繰り返すことしかできなかった。


母もそんなふうに何を提案しても断り続ける息子を見て、愛想をつかす。




好意だけ受け取るのって、なんて難しんだって思う。



差し出されたものは時と場合によっているものもあればいらないものもある。

いるものを渡されたときは、「ありがとうございます」なんて好意を伝えて、そして差し出されたものも受け取る。
好意が素直に伝わる。


けど、いらないものを渡されたとき。

好意はあるのだけど、受け取りたくない。

こういうときはどうしたいいか、なんて言えばいいのか、本当に困っちゃうんだよなあ。



帰り際、

おそらくぼくが帰ってきたからであろうご馳走の数々を食べ終わると、母は
「これ、いくらか持ってく?」
と、残ったごちそうを指差してぼくに聞いてきた。


「じゃあ、ちょっとだけ、持っていくね」


そう言うと、じゃあこれに入れていきな、とポリ袋を渡してきた。


「これは?」と今度はぼくの好きな和菓子をさした。
じゃあそれも、少しだけ、とぼくは言って受け取る。


ちょっとでいいよ、ほんとちょっと、と伝える。


もっと持って行っていいんだよ?
と言われた。



ありがとう、けど大丈夫。ありがとうね


と伝えた。



やっぱり下手くそだけど、ぼくにできるのは、好意の言葉でお断りの気持ちをサンドイッチするしかない。


伝わってくれたら、嬉しいけど。


人生をかっぽしよう

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